4CYCLE

いつかの日記:動物霊園

実家の愛犬が、18才と11ヶ月で亡くなった。葬儀のために行った動物霊園は、愛に満ちた場所であった。

一切急かすことのない、こちらの気持ちに寄り添った丁寧な対応。「普段の法事よりずっと長くてちゃんとしてた」と親も言うほどの、きちんとした読経のある法要。町を見渡せる高台にあり、「ここから空に還る」と思えるようなロケーション。火葬後には担当の方、お骨の説明をして下さり、愛犬の在りし日を偲んで下さった。実に情け深い対応であった。

園内の至るところにメモリアルプレートや柱が立っており、飼い主達の気持ちが溢れている。平日で大寒波の日だったにも関わらず、参拝者が次々と訪れていた。

動物に葬儀や法要をすること、そこには一切の義理がない。人間のように付き合いがあったからからということはなく、純粋な気持ちで参列し、悲しむ。そこには愛しかない。

霊園を出た時にはもう日は暮れており、夜景が美しかった。

悲しみは深いが、この霊園に行ったことで少し慰められ、家を出た時よりも穏やかな気持ちで私達は帰宅した。

岡本

読みもの

ホームへホームへ