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世界より:バンコクで梅酒

経由地のバンコクで、現地駐在中の後輩と会った。子連れで来ているので、行き先は畳のある日本食屋。タイ人や韓国人客も多くて賑やかだ。メニューをめくっていると、あるページで手が止まった。

梅酒。

今やUmeshuとして、世界中で知名度を上げてきている梅酒。海外であっても、和食屋にないはずがない。

海外で販売されている梅酒の多くはCHOYAなど、日本からの輸入品だ。当然といえば当然である。

しかし、この店の梅酒は違った。

少し前に、和歌山の知り合いの農家さんから、青年海外協力隊で、和歌山からタイに梅栽培の指導に行った若い農家さんがいるという話を聞いていた。

タイ北部、ミャンマーとの国境地帯は、アヘンの栽培地域「魔の三角地帯」として、長い間悪名高かったところだ。ここで、アヘンの代わりの農作物を…ということで、梅栽培に白羽の矢が立ったらしい。そして、和歌山は日本一の梅産地である。

このKachaという梅酒が、まさにそれなのだろう。

後輩に、飲んだことがあるか聞いてみた。

「よく飲みますよ、甘めでおいしいです。輸入物よりだいぶ安いですしね」

日本の技術が、必要とされる地域に根付いて、地域と日本に還元されている。和歌山在住者としても、同じ青年海外協力隊出身者としても、私は静かな感動を覚えた。

岡本

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